VSCodeの拡張機能「GitHub Copilot」の導入方法と使い方を解説します。
拡張機能「GitHub Copilot」について
VSCodeの拡張機能「GitHub Copilot」は、リアルタイムでコードを書くのを助けてくれるAIツールです。Python、JavaScript、TypeScript、Ruby、Go、C++、HTML、CSSなどの幅広い言語に対応しています。
「GitHub Copilot」の主な機能をまとめると、以下のとおりです。
- コード補完
- 書きかけのコードに対して、次に書くべき内容をAIが提案します。例えば、関数の処理を途中まで書くと、続きのコードが表示されます。
- コメントからのコード生成
- 「○○をする関数を作成」と書くだけで、対応するコードを自動生成します。例えば「CSVファイルを読み込んでフィルター処理をする関数」とコメントを書くと、AIがその内容に基づいたコードを生成してくれます。
- テストコードの自動生成
- 関数に対するユニットテストなどを自動で作成します。
- Docstring生成
- 関数の説明コメントを自動で追加します。
- リファクタリング
- 冗長なコードを簡潔にする改善案を提示します。
IntelliCodeが「既存のコード補完」が得意なのに対して、Copilotは「創造的なコード提案」を行うのが得意です。うまく使い分けると良いでしょう。ただし、提案されたコードは誤りや脆弱性が存在することも多いため、内容をレビューすることが大切です。
解説動画
料金プラン(2025年7月時点)
2025年7月時点では、Copilotには無料プラン「Copilot Free」と個人向け有料プラン「Copilot Pro」「Copilot Pro+」、法人向け有料プラン「Copilot Business」「Copilot Enterprise」があります。それぞれの違いを簡単にまとめると以下のとおりです。
プラン名 | 月額料金 | 特徴 |
---|---|---|
Copilot Free | 無料 | コード補完上限2,000回/月、AIチャット機能50回/月までの利用制限あり |
Copilot Pro | $10 | コード補完無制限、高性能モデル利用可能、AIチャット機能無制限、プレミアムリクエスト上限300回/月 |
Copilot Pro+ | $30 | コード補完無制限、高性能モデル利用可能、AIチャット機能無制限、プレミアムリクエスト上限1500回/月 |
Copilot Business | $19/人 | コード補完無制限、高性能モデル利用可能、AIチャット機能無制限、プレミアムリクエスト上限300回/月、組織向けの管理・セキュリティ機能 |
Copilot Enterprise | $39/人 | コード補完無制限、高性能モデル利用可能、AIチャット機能無制限、プレミアムリクエスト上限1000回/月、Businessプランより高度な組織向けの管理・セキュリティ機能 |
本格導入の前にまずは無料プラン「Copilot Free」を試してみるのが良いでしょう。利用回数に制限はありますが、AIによるコーディング支援を気軽に試すことができます。
プランに関する最新情報は以下ページをご確認ください。
導入方法
Githubの無料アカウントを持っている前提で「GitHub Copilot」の導入方法を解説します。また、今回は無料プラン「Copilot Free」で説明します。
拡張機能のインストール
① Visual Studio Code を起動します。
② 左側の 拡張機能アイコン(四角が4つ) をクリックします。
③ 検索バーに「GitHub Copilot」と入力します。
④ 「GitHub Copilot」を選択して [インストール] をクリックします。
GitHub Copilotの有効化
今回は、「GitHub Copilot」の無料プランを使います。
① ブラウザでGitHub(https://github.co.jp/)にサインイン(ログイン)しておきます。
② Copilotの公式ページ(https://github.com/features/copilot)にアクセスします。
③「無料で始める」等のボタンがあればクリックし、案内に従って進めます。すると、GitHubの設定ページ上でCopilot Freeプランを有効化できます。
VSCodeでGitHubにログイン
① VSCodeの右下にある「サインアウト済み」をクリックします。
② 「サインインしてCopilotを使用する」をクリックします。
③ 「Githubで続行する」をクリックします。
④ ブラウザが開きます。「continue」をクリックします。
⑤ ポップアップ画面の「Visual studio codeを開く」をクリックします。
⑥ VSCodeの右下にCopilotアイコンが表示されていれば GitHub Copilot が使えるようになっています。
これでコメントや関数名を書くだけで、AIが先回りして提案を出してくれます。
コード補完・提案
例えば以下のようにコメントを書くだけで、Copilotが関数を提案してくれます。
# リストの平均値を計算する関数
TABキーで受け入れ、ESCキーで拒否できます。
コメントは具体的に書くと、より正確な提案が得られます。
また、コードを書き始めると、Copilotが次の行を予測して提案してくれます。
Copilot Chatでバグの修正
Copilot Chatのチャット欄で「この関数のバグを直して」などと指示すると、AIが修正案を提示してくれます。
例えば、以下のコードを普通に実行すると、「ZeroDivisionError: division by zero」というエラーになります。これは、0で割り算すると生じるゼロ除算エラー(ZeroDivisionError)です。
def divide(a, b): result = a / b # ← この行にブレークポイントを設定 return result x = 10 y = 0 # ← エラーの原因になる値 print(divide(x, y))
「ZeroDivisionError: division by zeroというエラーが出たので、エラーが出ないように修正して」などと指示すれば、以下のように条件分岐でbの値が0のときは割り算を行わないようコードを修正してくれます。
def divide(a, b): if b == 0: return None # 0除算時はNoneを返す result = a / b # ← この行にブレークポイントを設定 return result x = 10 y = 0 # ← エラーの原因になる値 print(divide(x, y))
Copilot ChatでDocstring生成
Copilot Chatのチャット欄で「関数のdocstringを追加して」などと指示すると、以下のようにAIがDocstringを追加してくれます。
def divide(a, b): """ 2つの数値a, bを割り算して結果を返す関数。 bが0の場合はNoneを返す。 Args: a (float or int): 割られる数 b (float or int): 割る数 Returns: float or None: 割り算の結果。bが0の場合はNone。 """ if b == 0: return None # 0除算時はNoneを返す result = a / b # ← この行にブレークポイントを設定 return result x = 10 y = 0 # ← エラーの原因になる値 print(divide(x, y))
Copilot Chatでテストコードの自動生成
Copilot Chatのチャット欄で「関数のユニットテストを作成して」などと指示すると、以下のようなテストコードをAIが生成してくれます。
import unittest from test import divide class TestDivide(unittest.TestCase): def test_divide_normal(self): self.assertEqual(divide(10, 2), 5) self.assertEqual(divide(-6, 3), -2) self.assertAlmostEqual(divide(7, 3), 7/3) def test_divide_by_zero(self): self.assertIsNone(divide(10, 0)) self.assertIsNone(divide(0, 0)) def test_divide_zero_numerator(self): self.assertEqual(divide(0, 5), 0) if __name__ == "__main__": unittest.main()
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